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CAREER LABもやしエンジニアが現代機器から離れて誰もいない夏の海辺でサバイバル生活をしてしてみた(後編)

もやしエンジニアが
現代機器から離れて誰もいない夏の海辺で
サバイバル生活をしてしてみた(後編)
DATE2015/08/14
-もやしエンジニアのその他記事-

>もやしエンジニアがサバイバル生活をしてしてみた
(前編)

クリエイティブ発想のサバイバルライフ。楽しそうで何よりです。
>もやしエンジニアの断食ススメ
筋肉は贅沢品と豪語する、もやしエンジニアの断食指南。
>もやしエンジニアが肉体改造に挑戦
筋肉は贅沢品といいましたが、あれは嘘です。
もやしエンジニアのサトウです。どこで何を間違ったか突然、夏の海辺で3日間のサバイバル生活をすることになりました。もちろん、バカンス気分の砂浜リゾートではありません。2メートル超もの高波が迫る、人気のないゴツゴツした岩礁地帯でのサバイバルです。スマートフォンや電子レンジといった便利な現代機器の持ち込みは一切ありません。

前回、塩気のきいた焼き魚と焼き貝にありつけたので食の欲望はひとまず満たすことができました。普段よりは質素なタンパク質のみの食事ですが、ここはサバイバル。食べるものがあったことだけでもう感謝で一杯です。

サバイバルで得たもの5:
危機を予測し先回りして備える姿勢(PM15:00)

危機を予測し先回りして備える姿勢
食が満たされたら、つぎに取り組むべきは「住」の課題です。正直なところ、7月の海辺をナメていました。寝袋さえあれば、充分に暖かく、夜をやりすごせると思っていたのです。

しかし、折も悪く天気は最悪。台風が迫っていたため、高波による波しぶきが、強風に乗って顔面を濡らします。昼間でも少し肌寒く、夜には厳しい冷え込みも予想されます。

そこで今回は、寝袋を囲う風よけを作ってみることにしました。調理用の薪として集めた木材の中から、背丈の長い棒状のものを三角形に立て並べます。するとどうでしょう。ほんの小一時間程度で、どこかの教科書で見たことがあるような、立派な原始住居が完成です。

中に入ってみると、風に舞う草が視界をチラチラ邪魔することはありますが、世の中にこんな住居を作った経験のあるエンジニアがどれだけいるかを思うとドヤ顔を止めることができません。

続けて焚き火の準備にも着手。想像以上の寒さにもこれで対応できますし、実際に夜になってみると街灯などの照明が一切ないところにまたたく火のあかりは、何とも言えない安心感と幸福感を与えてくれたのでした。  

サバイバルで得たもの6:
目に映らなかったものを改めて認識しなおす姿勢(PM18:00)

目に映らなかったものを改めて認識しなおす姿勢
一生懸命に焚き火をおこしていると、気づけば空が夕焼けに染まり始めていました。思わず写真を撮ってTwitterに共有したい衝動に駆られますが、もちろん、手元にスマートフォンはありません。焚き火が消えないようにぼちぼちと薪を足しながら、1人で夕日を眺めます。

朝から晩まで電気を灯した明るい職場で働くのが日常ですから、空の色が刻一刻変わっていく様子をずっと見続けるなんてことはなかなかありません。

日が落ちると、あたりは本当の暗闇です。目に映るものは焚き火と、数えきれないほどの星だけ。

夢中になって星座を縫って遊んだり、人生とは何か…を哲学者のように考えたり、あるいは不意に、いま手がけている仕事の素晴らしいアイディアが浮かんだりしました。私たちは暇さえあれば、スマートフォンの画面を眺めて、ニュースを追ったりゲームのキャラを育てたりして、実はその間、何も考えていなかったりします。

こうして何もないところに、ただ自分の頭と体だけがあると、普段は目に入らなかったものが見え、考えもしなかった発想が自然と湧いてくるのがただただ不思議で、穏やかに興奮していたのでした。

ただし、油断しているとフナムシにかじられてしまうので、夜通しの警戒で充分な睡眠をとることはできなかったのでした…。

サバイバルで得たもの7:
当たり前のことにも謙虚に感謝する姿勢(AM5:00)

朝日とともに目覚めて散歩していると、自然と食材がどこかにないかと探す狩猟者の目になります。

サバイバルも3日目ともなると、いくら美味しくても「もう貝は嫌だ!」と叫びたくなります。貝を餌に潮溜まりのハゼを釣るなど知恵を絞り工夫をするのですが、やはり現代人には、食材も調理法も敵いません。狩猟民族が農耕や畜産をおぼえて急速に発展した理由がなんとなく理解できました。

普段スーパーに並び、食卓に上がる食材にも、先人たちの努力と工夫の果てしない積み重ねがあるのです。

エンジニアの仕事にも、古い規格や慣習のしばりで苦労することがあります。しかし、そうした古い技術の発展の先に、私たちの新しい仕事は積み重ねられているわけで、先人への感謝の念を忘れてはいけないなと実感しました。

サバイバルで得たもの8:
常に自ら楽しみを見出す姿勢(AM6:00)

磯で食べ物を探していると朝の散歩をする初老の男性と出会い、「オレも若いときはこういうバカなことをしたもんだ、頑張りなさいよ」と励ましていただきました。バカなこと、そうこれは、やる必要のないバカなことです。

レンジがあれば5分であたたまる食材をあえて何時間もかけて作った火で焼き、あるいは家に帰ればふかふかの布団が待っているのにゴツゴツした岩場の上でフナムシに足をかじられながら寝るなんて本当にバカなこと以外のなにものでもありません。

しかし、私はこの3日間、本当に楽しかったのです。同じ住居を作るにしても見栄えにこだわったり、夜の闇という圧倒的な「納期」の前にプロダクトを仕上げたり、エンジニアとしての「モノをつくる」という根本の喜びに、ここまで実感を得たことはありませんでした。
見聞を広めるために、見たことも聞いたともない海外へ旅行するのも良いと思います。 ただ、私が経験した海辺のサバイバルのように、狭い空間に留まって不自由な生活を工夫して過ごすというのもまた、自分を磨くための良い手段ではないでしょうか。

ボタンひとつに意味を込めるエンジニアが、ボタンのない環境で何を考えどんな行動をとるか。
私には興味津々です。

そして私は薪を白い灰になるまで燃やし尽くし手作りの寝床を解体し、何も残さず極力の現状復帰に努めてサバイバルを終えたのでした。
何も残さず極力の現状復帰に努めてサバイバルを終えたのでした。
~おわり~

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