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CAREER LAB将来エンジニアになるかもしれない若者たちに「今からこれだけはやっておけ!」

将来エンジニアになるかもしれない若者たちに「今からこれだけはやっておけ!」
DATE2017/10/12

戦後、日本はものづくりの力のよって目覚ましい復興を遂げてきました。日本人が持つものづくりに対するモチベーションの高さにより、1955年から1973年には今では考えられない年平均10%以上の経済成長を達成。高度経済成長期を強力に推し進めてきました。もちろん主役はエンジニアたち。ソニーやホンダといった企業は世界に知れ渡り、まさにメイド・イン・ジャパンは世界を席巻することとなりました。
ところが低コストで生産する新興国の台頭などにより、ここ10年で環境は大きく変わりました。自動車や工作機械など複雑な製造工程の製品ではまだ優位を保っているものの、楽観視はまったくできません。さらに国内においては少子高齢化が、労働人口の減少という追い打ちをかけています。
そんな環境のなか、今まさに第一線で活躍するエンジニアたちは、抜本的な変革を探求し、新たなメイド・イン・ジャパンの隆盛を生み出そうとしています。そしてそれを次の世代で発展させていくのは将来エンジニアとなる若者たちなのです。
そこで、第一線で働く様々な業種のエンジニアたちから次世代を担う若者たち・学生たちに、新たなメイド・イン・ジャパンのバトンが渡されることを願って「エンジニアを目指すなら、若いうちから何をしておくべきか」を聞き出してきました!

<第一線のエンジニア>
自動車業界機械系エンジニア 40代
業務内容:金型設計、ボディ設計など

<メッセージ>
●ドライバー、レンチ、その他ツールに慣れること。
●エンジン付きのラジコン自転車などに触れること。
●中学の技術の教科書を熟読すること。
●新製品のカタログを穴が開くほど読むこと。

<理由>
そもそも、メカニカルな物を、分解したり、組み立てたり、調整したり、というのは教えられずとも興味があればやってしまうものです。たとえば自転車。パンクを自分で修理したり、タイヤやチューブを購入して交換したり、ブレーキワイヤーを交換したりすることは、簡単に始められることですのでおすすめです。大体小学生くらいからこういうのってやっていました。こういった経験から、ドライバーやレンチなどのツールに慣れておくと、いろんなものの組立や分解への興味が広がります。
エンジン付きのラジコンを操縦してみたり、今なら販売店でドローンコーナーで実機に触れてみる。目新しいものに興味をもって、積極的に触ってみることが大事です。中学くらいにやっておきましょう。
あと、受験にはあまり関係ないと軽視されがちな中学の技術の教科書だけれど、ここにすべてのエンジニアになるための第一ステップが隠されていることを知らない人は多い。なんとMOTTAINAI! まずは熟読しましょう。
そして、欲しくても手に入らない製品があったとしても、カタログや雑誌を穴が開くほど何度も読むという幼少の頃の経験は将来に繋がります。そのようなあくなき探究心が大切。

<第一線のエンジニア>
マイコン設計者 40代
業務内容:車載マイコン設計開発 

<メッセージ>
●学生時代に何の役に立つのか分からない微分積分学・・・実は役に立つよ!

<理由>
学生時代に何の役に立つのか分からない微分積分ですが、A/D変換、D/A変換回路の設計やデータの分析をするにあたり、微分直線性誤差が〇〇LSB以内にないとだめ、といったことは微分が分かっていないと理解できないこともありました。
また、卒業論文は「火星探査における風量計測」でしたが、ガスメータ用マイコンを開発した時に役に立ち、応用することで特許を取ることができました。このように学生時代の勉強は実社会でもちゃんと役立ちます。学んでおいて損はありません。
今から学生時代を振り返って、やっておけばよかったと思うことはPerl/Rubyなどの言語の習得です。業務によっては数百Gバイトのデータ処理を行うので、そういった大量のデータ処理を行う際、プログラムの組み方次第で処理速度が10時間単位で異なってきますので。

<第一線のエンジニア>
機械エンジニア 40代
業務内容:生産設備開発・仕様策定など

<メッセージ>
●興味をもって深掘りすること。
●作る楽しさを感じること。
●理科と算数は最低限やっておくこと。
●体育や音楽で勝つための経験をすること。

<理由>
エンジニアは特にそうですが、なんでもできる人より、得意分野が一つある人の方が向いていると思います。どんな小さなことでも良いので、時間を忘れるくらい好きなもの、詳しく知りたい、または知っているもの、挑戦できるというものを見つけてください。そのためにはいろんな「もの」で遊ぶことです。
そして、図画工作、技術家庭科で考えながら描いている、作っている時に楽しいと感じられれば、適性バッチリです。出来栄えや通知表の点数は関係ありません。自分自身が楽しいと感じられたかどうかです。エンジニアの仕事は作る前に考えることですから、手先が器用かどうかよりも、その前にどういうことを考えたか、工夫しようとしたかが重要です。
あとは理科と算数について。机の上の勉強ではなく、社会や自然を見渡した時にどこでも使えることに気づくことが大事です。そのためには、最低限の理科と算数はできた方がいいですね。
そして、個人、団体どちらでもよいので、体育や音楽にも挑戦してください。そこでいい成績を出すために、運動会やクラスマッチで勝つために、合唱コンクールで勝つために作戦を立てたり、工夫したりした経験は、エンジニアの仕事に限らず役に立ちます。こう言った場面で、自分がリーダーだったか、メンバーだったか、フォロワーだったか、また楽しかったのか、楽しくなかったのかという結果を意識してください。多くの場合、自分がどうありたいかは、こういう経験が重なって出来上がっていきます。

<第一線のエンジニア>
宇宙機器設計者 40代
業務内容:宇宙機器システム設計 

<メッセージ>
●いろいろな物事に興味を持つこと。
●本を読むこと。
●いろいろな人と会い、話をすること。
●今学んでいる学問をしっかりと修めること。
●毎日を明るく元気に楽しむこと!

<理由>
この世の中は不思議なことや面白いことがたくさんあります。いろいろなもの、ことに興味を持って見てみましょう。今は図書館やネットで調査も簡単にできます。調べてみて、実際にやってみる経験、そして失敗する経験が将来大きく役立ちます。
本には書いた人の人生が詰まっています。本を読めば、本来は一回しかない人生を何度も生きることができます。ジャンルは問わず様々な本を読むことが、多くの面で将来活きてきます。
そして世の中には様々な人がいます。自分の近くの人(家族、友人)だけではなく、自分から遠い人、意見の異なる人、文化の異なる人たちと話をすることで、世の中の多様性を理解することができます。
あとは、今学んでいる学問について。今は将来どう役に立つか分からずとも、将来、必ずつながってきます。しっかり学んでください。そして最後に、毎日を明るく元気に楽しんでください!

<第一線のエンジニア>
Webエンジニア 30代
業務内容:Web開発・仕様策定

<メッセージ>
●たくさんの本を読むこと。
●SNSを活用して行動できるようになること。

<理由>
まずは読書について。エンジニアになってもならなくても国語力は人間社会を生き抜くうえで必要不可欠です。体力と国語力。これさえあれば、あとはどうとでもなります。国語力は、相手の言わんとすることを汲み取る力、その内容を筋道立てて解釈する力、解釈した結果をうまく言葉で表現する力で構成されていると思います。読書はこの3つの能力を養うとてもいい方法です。
それ以前に、読書は古今東西、様々な考えかた・価値観・発想が学べます。それによって物事が理解できるようになるとすごく楽しい。全ての知識は有機的に繋がっています。多くの言葉に触れて自分の世界を広げていき、人生をより味わい深いものにしてください。
 それからもう一つ大切なこと。面白いことはただ待っていても起きません。自分から積極的に行動を起こしていけば、面白い人・尊敬できる人・バイタリティ溢れる人に出会えます。幸いインターネットが普及した現在はツイッターといった情報収集するのにとても有効な手段があります。興味があるジャンルで面白いことをやっている人をどんどんフォローしてアンテナを張り巡らすといいと思います。しばしば、そういった人たちが有志で勉強会やイベントを開催します。そこへ積極的に参加して直接お話しを聞くと勉強になるし、良い刺激になります。モチベーションも上がります。インターネットによる情報革命と言われて久しいですが、今は知識について開かれた時代です。インターネットを活用していかに自分から行動を起こせるかがこれからの時代とても大切になってきます。これができる人とできない人で圧倒的な差が生じるでしょう。

<第一線のエンジニア>
電気電子回路設計者、組込みソフト設計者 40代
業務内容:回路設計、ファームウェア設計

<メッセージ>
●電子回路のエンジニアを目指すなら「回路の定石」と「アルゴリズム」について学んでおくべき。

<理由>
回路の定石とは、例えば、増幅回路はこの回路、フィルター回路であればこの回路といった回路のテンプレートのようなものです。
電気電子回路を設計するときに、全て1から設計すると、時間がかかるだけでなく、設計品質も安定しません。過去から先輩方に受け継がれている、最上とされる回路や設計方法、設計手順を学んでいくことは、時間短縮になるだけでなく、実績のある回路を採用することで設計品質を担保することにもなります。
 ただし、日々、技術は日々進化しているので、過去では最良とされていた回路や設計手法が陳腐化していることもあるので、日々、自分が習得したものを習得したものを最新のもの、最良なものに更新していく、自分分なりに工夫していくことも必要です。

まとめ

思いのほか「読書」という項目が多いのは意外でしたが、コミュニケーション能力や多方面への興味はエンジニアにも重要だということが見えてきました。そして若者時代、学生時代の勉強は実社会にしっかり繋がっているという意見も多くみられました。第一線で活躍するエンジニアたちの「金言」。学生はもちろん、同じくエンジニアとして働く人々にとっても琴線に触れるものとなったのではないでしょうか。


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