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CAREER LAB「機械」をつくる材料、代表的な7種類の特徴と用途まとめ

「機械」をつくる材料、代表的な7種類の特徴と用途まとめ
CATEGORYコラム
DATE2015/11/04
エンジニアがつくる「機械」は、様々の部材で構成されています。しかし普段は、その部材が一体、どんな材料なのか、なぜその材料が選ばれているのか、あまり意識することはないかもしれません。

今回は、機械をつくる材料のうち、代表的な7種類をご紹介し、それぞれの特徴と用途とをまとめてみました。

主な機械の材料

主な機械の材料
1.鉄鋼材料
鉄鋼材料は、すべての機械材料のうち最もポピュラーな材料です。 強度に優れる一方、熱による加工がしやすく造形の幅が広いため、自動車のフレーム素材や建造物の構造材など大きなものから、ネジや歯車のようなごく小さな部材まで、幅広い用途で使われます。

価格、強度、処理のしやすさの3拍子が揃っており、「もっともバランスの良い部材」という表現をされることも多いようです。価格、強度、処理のしやすさの3拍子が揃っており、「もっともバランスの良い部材」という表現をされることも多いようです。

鉄鋼材料は「鉄」と言っても、純度100%の純鉄が使われているわけでなく、他の合金元素を加えて製造されます。もっとも多く使われている鉄鋼材料は鉄に炭素を含ませた「炭素鋼」であり、これを一般的に省略して「鋼 = スチール」と呼びます。

他にも、硬さと耐食性を向上させる目的でクロムやニッケルを含ませた「ステンレス鋼」や、融点が低く鋳造に用いられる「鋳鉄」など、鉄に含有させる成分を変化させることで異なる特徴を持たせることが可能です。
2.アルミニウム材料
アルミニウム材料は質量が鉄鋼材料と比較して1/3ほどと軽量です。その特性を活かして日用品から航空機まで、幅広い用途で使われます。また、独特の白色光沢を持つことから、表面材としても重宝されています。

純度100%の純アルミニウムは耐食性の面でも優れていますが、強度に難があるため、亜鉛やマグネシウムを加えて、強度を高めたアルミニウム合金として活用されることが多いようです。

中でも銅を加えたジェラルミンは代表的なものであり、超ジェラルミンの硬度は鋼に匹敵します。また、日本の住友金属工業が1936年に開発した超々ジェラルミン(亜鉛とマグネシウムの合金)はアルミニウム合金の中では最も高い強度を持ち、古くから軍用航空機の構造材などに用いられてきました。
3.銅材料
電力の導線としても使われる銅線としても活用されていることからもわかるように、銅は銀に次いで高い導電性と熱伝導性を持ち、電気部品、電動機、配線、基板などによく使われます。

また、鉄鋼材料と比較すると低温に強く、耐食性にも優れた特性を持つことから、船舶用部品、船のスクリューなどに活用されるところも特徴的です。

古来、日本でも武器や仏像の材料になるなど、日用的な金属の代表格というべき存在でした。現在でも、金に似た独特の光沢を活かして洋食器や装飾品に使われる他、5円玉は亜鉛を含む黄銅、50円玉、100円玉、500円玉はニッケルと含む白銅でできており、エンジニアならずとも、人々の暮らしに一番身近な金属と言えるかもしれません。

4:チタン材料

チタン材料
チタンは比重が鉄のおよそ半分、しかし強さは鋼に匹敵します。融点が1668度と他の金属より高く、耐食性と耐熱性に優れており、大気中はもちろん、海水中でもほとんど反応しません。経年変化には左右されず、メンテナンスと交換の手間も省けるなど、欠点のない「未来の金属」と表現されます。

また、非磁性であることから精密機器、電子機器の部品に使われたり、無毒性であり、生体への悪い影響が少ないことから、人工骨や関節、心臓弁といった医療分野での応用も進んでいます。

ただし、チタンは希少性の高いレアメタルの1つであり、価格も相応に高くなってしまいます。資源保護の観点からも、重要性の高い用途(たとえば、宇宙開発や電力発電所に使用される構造材・部品など)に限定したり、リサイクルを想定した、計画的な運用が必要です。

5:プラスチック材料(樹脂部品)

プラスチック材料(樹脂部品)
プラスチックは、おもに石油を原料とする高分子化合物によって生成された物質の総称です。

プラスチックというと、生活用品として使われるペットボトル、レジ袋、食器といった柔らかいものなどが思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、機械に使われるプラスチックは耐摩耗性、耐衝撃性、曲げ強さなどなど、用途に応じた幅広い特性を与えられており、これを総称して「エンジニアプラスチック」と言います。具体的には、ABSやポリカーボネート(polycarbonate)などありますがこれらの詳細はまたの機会にご説明します。

エンジニアプラスチックは材料の強度に対する重さ(比強度)が優秀、すなわち軽くて丈夫であり、錆びることもありません。また、成形が金属より容易なため、歯車、ねじ、軸受、エンジン部品、といった機械部品として、金属に変わって使用される割合も増えてきました。

近年は自動車や建築物の構造体としても使われるほどの頑丈なプラスチックも出てきており、さらに自由に着色できるなど独特の特性を持つことから、さらなる技術発展が期待される機械材料です。

6:セラミックス材料

セラミックス材料
セラミックスは非金属の個体材料を一般的にさす言葉で、陶磁器、ガラス、セメントなどは、昔から使われているセラミックスです。

セラミックスには、硬い、燃えない、錆びないという優秀な特性がありますが、反面で、落下するとすぐ割れてしまう「脆い」という欠点もありました。

しかし近年はその材料研究が進み、高機能化したセラミックスが機械材料、電子材料として活躍するようになってきています。強度、耐摩耗性、耐食性、耐熱性に優れた新しいセラミックスを総称して、ファインセラミックス、またはニューセラミックスと言います。

特に、1000度以上の高温で強度を保つ素材は金属やプラスチックにはなく、自動車や宇宙船などのエンジン部品などに特徴を発揮しています。また、生体親和性も高く、人工骨や人工歯根などとして、医療にも活用されています。

7:複合材料

複合材料
今まで紹介してきた材料から2つ以上を組み合わせて、もとの材料よりも優れた特性を与えた材料を複合材料と言います。

代表的な例は、鉄筋コンクリート。引っ張りに強い鋼材と、圧縮に強いコンクリートを組み合わせることで、両者の特徴をさらに引き立てあっています。中でも用途が広がっているのが、プラスチック材料を用いた繊維強化プラスチック(FRP)です。

FRPの特徴は軽くて丈夫、つまり、比強度が強いことにあります。 近年は、特に軽量化が重要な航空機や宇宙船で多用される他、ゴルフクラブのシャフトや釣竿などのスポーツの用途や、燃費向上が求められている自動車部品でも需要が伸びています。

以上、長くなりましたが、機械を作る代表的な7種類の材料をご紹介しました。傾向としては、金属の材料が主流だった機械の世界に、プラスチック材料、セラミックス材料、複合材料といった、化学の発展によって生まれた新しい材料が存在感を増しているという状況であると、言えそうです。

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