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CAREER LAB「癒し系エンジニアがいればチーム力UP!?」役者歴20年の講師に聞く技術者の為のプレゼン術【第3回】

「癒し系エンジニアがいればチーム力UP!?」
役者歴20年の講師に聞く技術者の為のプレゼン術【第3回】
DATE2015/07/28
高いチーム力は、開発プロセスで立ちはだかる無理難題を乗り越え、世のユーザーを驚かせるような製品づくりに欠かせない原動力となります。そのベースとなるのはコミュニケーションであり、風通しの良い会議や仲間との一致団結です。

そこで第3回のテーマは、チームの士気を上げる話し方の秘訣です。リーダーでなくても、士気をあげるテクニックを伝授します。
(第1回第2回はこちら)
株式会社心に響く話し方
代表取締役 宮北 結僖さん

西田敏行・緒形直人率いる劇団青年座を経てTV・舞台等で活躍。20年の俳優実績を生かし、現在は「言響(心に響く話し方)スクール・セミナー」を主宰。
著書『お客様の心に響く話し方』ほか
http://www.genkyo.net

人の話に否定・批判はNG。
温かい質問の仕方・聞き方があります。

人の話に否定・批判はNG。
――リーダーとしても、あるいは、1メンバーとしても、開発チームや部署内などでの会議を盛り上げる秘訣はありますか?

「相手に安心感を与える聞き役になる」ことでしょうか。

先日スクールに来られた某大手メーカーの中堅エンジニアOさんが「自分の開発チームの打ち合わせは、変に感じたことを言うと上司から理詰めで追い込まれてしまう。会議中はいつもピリピリムードで苦手なんです」とおっしゃっていました。

それって、大切なアイデア交換の機会が戦いの場になってしまっているんです。参加者の一挙一動にビクビクして言葉を発してしまいますね。会議に参加する人のルールとして、私は4つのことをおすすめします。
  1. 相手の話は面白がって最後まで聞く。
  2. 意見の否定・批判はしない。
  3. 周りと自分をわざわざ比べない。
  4. 10分に1回は発言する。
自分がまず、開発チームの人たちに気遣いができる「癒し系エンジニア」になることです。

一流と呼ばれる役者さんたちもそうでした。たとえば、昔大変お世話になった故・坂東三津五郎さんは、出演者全員の名前をフルネームで覚えてきて、稽古初日に話しかけてきてくださったのです。
坂東さん
「ねえ、宮北さん、宮北ゆきさんだよね?」
宮北
「は、はい!」
坂東さん
「やった~~!あったりぃ~~!」
宮北
「!?」
おかげで、ガチガチに緊張していた私の心は一気に緩みました。一流こそ、誰に対しても最高の気遣いができ、どんな場面でも面白がることができる。接する人みんなが大ファンになるのです。

相手や状況と戦うのを止めてみましょう。
きっと人付き合いが楽になります。

相手や状況と戦うのを止めてみましょう。
――デザイナーとエンジニア間などで議論が平行線に陥ったり、苦手な人とやり取りしたりしなくてはならない場合は、どうしたらいいですか?

連載の第2回でもお話しましたが「自分が、自分が」と我を押すと周りが見えなくなり、議論の核心からも外れてしまいます。そんな時は「お客様(ユーザー)のせい」にしてはいかがでしょうか。お客様の安全を守る面ではどうか、お客様が楽に操作できるのはどちらか…と。本質を再確認することで、押すべきか引くべきか見えてくるでしょう。

そして、苦手な人との会話では「無駄にエネルギーを消費しないこと」です。価値観の違う人のことを理解しようとすると疲れます。唸らせるべき、動かすべきは店頭にいるお客様の「コレ欲しい!」という気持ちですよね。ならば、自分的にナシと思った意見でも「そうですか、なるほどなるほど」と、とりあえず一旦受け入れておく。彼らを自分の体内時計で動かそうとすると、エネルギーを消耗します。

人間が1日に放出するエネルギーの量は決まっているそうです。ならば、相手や状況と戦うのを止めて、エネルギーの節約をしましょう。すると、話をするのも少し楽になりますよ。
――これまで3回にわたってさまざまな話し方をうかがってきましたが、最後にエンジニアの方々にメッセージをお願いします。

エンジニアの方々は、プロダクトへの強い思いや最先端のノウハウを持ってお仕事されている素晴らしい方々だと思います。技術が進化し続ける中、さらに高みを目指してスキルを磨き続ける毎日は本当に大変なことでしょう。どうか、持っているスキルや経験に自信を持ってくださいね。自分を信じると、他人の言葉に振り回されなくなります。そして、お客様の目線、上司の目線、チーム内のメンバーの目線に立って話をしましょう。きっとモノづくりエンジニアとしての人間力が上がって、良い商品づくりに貢献できると思います。

ご自身という素晴らしい樹木が、会社や業界といった大きな森全体の中でも輝くことができますように。

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