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CAREER LAB旋盤の基本 その構造と使い方 機械加工入門第4回 金属加工についてもっと知ろう

旋盤の基本 その構造と使い方
機械加工入門第4回 金属加工についてもっと知ろう
CATEGORY学び
DATE2015/06/24
金属加工には、主に「材料を固定しての加工」と、「工具を固定しての加工」の2種類があります。前回のフライス盤は材料を固定していました。

一方、工具を固定して加工するということは材料を回転させて加工しますから、断面が丸い物の加工に適しています。
そのような、刃物を固定し、材料を回転させて加工する機械を旋盤といいます。
旋盤加工の操作では、チャックにワーク(材料)を固定します
旋盤加工の操作では、チャックにワーク(材料)を固定します。
バイト(工具)で切削加工を行います
このチャックが回転し、バイトホルダーに固定されているバイト(工具)で切削加工を行います。

旋盤では主に丸物加工を行い、
  • 切断
  • 表面面削
  • ネジ加工
  • ローレットなどの表面加工
などに適しています。

旋盤の構造

旋盤の構造ですが、通常、3爪と呼ばれる3方向から材料を固定する「チャック」が用いられます。

丸い物はしっかりと中心が出るので問題ありませんが、楕円や異型材料は、そのままでは中心が出ないため4爪と呼ばれる4方向から固定するもので中心出し(芯出し)をしながら固定します。

また長いワークに対しては、「芯押し台」でワークの固定を補助し、偏心するのを防ぎます。

バイトホルダーにはさまざまな種類の工具を固定できます。加工内容によりバイトの種類を選択しますが、よく使用するバイトには
  • 突っ切りバイト:ワークを切断
  • 中ぐりバイト:ワークの内側を加工するときに使用
  • 右片刃バイト:ワークの端面の面削などに使用
があります。
バイトの一例
右片刃バイト

旋盤加工

ワークを回転させ、バイトで加工していきます。
このとき必要な操作は「切り込み」と「送り」になります。
ワークに対して切削する量を「切り込み量」といい、ワークに対してバイトを平行移動させることを「送り」といいます。

切削速度と主軸の回転数
切削速度は材料の材質とバイトの材質によって決まります。切削速度とは、1分間に何ミリ切削加工するのかを決めることです。

計算の公式は、以下の通りです。
V=π×d×n/1000
V:切削速度(m/min) d:材料の直径(mm) n:主軸の回転数(rpm)

旋盤は決まった回転数しか切り替えできません。そこで、それぞれの旋盤に記載のある回転数で計算します。

バイトを固定する際には、ワークとバイトの位置関係に注意してください。
ワークの中心と、バイトの刃の高さを同じにして、固定します。この位置をしっかり出さないと、バイトの破損や加工精度の低下、旋盤自体の故障につながるおそれがあります。

ネジ加工
旋盤では、芯押し台にタップやダイスを取り付けて、ネジ加工ができます。タップは以前紹介した、ネジの溝部分を刻む工具のことです。ダイスとは、タップとは反対に、ネジ山の部分を加工する工具です。
旋盤では、芯押し台にタップやダイスを取り付けて、ネジ加工ができます
また、これ以外にも、旋盤の自動送り機能でネジ切りをするため、「同じ位置で送る」という機能とネジ切りバイトを使用して加工する方法もあります。
ネジ切りバイトの先端には、60度の角度に仕上げられたチップが取り付けられていて、ネジピッチにあわせて何度か切り込んで行き、規定の寸法に仕上げることができます。

ネジ切りは非常に難易度の高い作業になるため、熟練が必要です。

ローレット加工
パイプなどの表面に滑り止めなどの段をつけたものに、触れたことがある人もいると思います。これがローレット加工と呼ばれるものです。
専用のローレット工具をワークに押し付けて加工を行います。ネジ回しの持ち手に当たる部分もその一例です。
ネジ回しの持ち手に当たる部分もローレット加工の一例です

加工手順

旋盤加工は次の手順で進めます。
  • チャックにワークを固定し、芯押し台で押さえつけます
  • バイトホルダーに加工に応じたバイトを固定します(このとき芯出しを行います)
  • 切削速度に対応する回転数に設定します

ここまで準備が出来たら、主軸を回転させ送りハンドルと切り込みハンドルを操作しバイトがワークに触れる程度まで近づけます。このときゆっくり操作をしないと、バイトとワークが勢いよくぶつかり破損するおそれがあります。

ワークにバイトが触れた寸法を操作ハンドルから読み取り、希望する寸法まで何度かに分けて切削を行います。加工終了後は送り、切り込みハンドルともワークに当たらない所まで戻し、主軸を停止させ確実に停止したところでワークを取り外します。

このように丸い物に対して効率よく加工できる旋盤ですが、材料が回転するというところから、それぞれの作業を確実に行わないと思わぬ事故を起こすこともあります。

加工の際は保護メガネなどを使用し、安全に十分留意して行うようにしてください。
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