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CAREER LABただ今、用途拡大中 – あなたはヒートパイプを知っていますか その2

ただ今、用途拡大中 – あなたはヒートパイプを知っていますか その2
CATEGORY学び
DATE2016/12/20

前回のその1では、ヒートパイプがノート型PCの小型化に大きな役割を演じていることをご紹介しました。
しかし、ヒートパイプは大型機器でも使われていますし、より広義には動力源不要の熱輸送部品(冷却装置・加熱装置)としても使われています。今回は、その例をいくつかご紹介したいと思います。

通信機器用ヒートパイプ

通信機器へのヒートパイプ適用は、光伝送及び高密度実装の発展期に始まりました。
一つは、1987年に実用化された1.6Gb/s伝送機器におけるLSI冷却でした。
もう一つが、1990年代後半にFTTH(Fiber To The Home)の先駆けとして開発・導入されたπシステム (図1)です。
πシステムの屋外ONU(参考:NTTアクセスサービス研究所、Tsukuba年史)のパッケージ基板の冷却には平板ヒートパイプが採用されました。
ONUは屋外に置かれる機器で、湿気・雨水・土ホコリを防ぐ完全密閉の機器です。真夏は直射日光にも曝されます。通風孔を作って熱を排出というわけにはいきません。また、その完全密閉を数年~十数年維持できるだけの耐久性も要求されます。
この要求に対応できる技術として、ヒートパイプが採用されたのです。

πシステム用平板ヒートパイプ

πシステムに用いられているヒートパイプは、曲げられた5枚のヒートパイプを組み合わせ、凝縮部(放熱部)は5枚のヒートパイプが熱伝導性の接着剤で貼り合わされています。
冷却対象となるICは図1のように層状に配置され、輻射または自然対流により非接触で各ヒートパイプに熱が伝えられます。その際の熱量はヒートパイプ1枚あたり2~4Wとなり、5枚で10W程度に相当する放熱・冷却が密閉型筐体から筐体の壁を通して行われます。

図1 πシステム用ヒートパイプの形状

出典:古河電工時報 第106号 アルミ製平板ヒートパイプの開発

図1 πシステム用ヒートパイプの形状

また、電線に吊られることを考えると、傾き (θ) が10度くらいまでのトップヒートモード (熱源が冷却部より上部に位置する状態) をクリアする必要がありました (図2)。

図2 傾きの測定方法
図2 傾きの測定方法

そこで、πシステム用ヒートパイプは、アルミニウムの押出し多穴管をコンテナに用いた平板ヒートパイプとし、多穴管の1つ1つの穴にワイヤーを挿入し、ワイヤーと多穴管内面との間に毛細管力が発生させ、熱移動を実現させています(図4)。

図3 πシステム用ヒートパイプの断面

出典:古河電工時報 第106号 アルミ製平板ヒートパイプの開発

図3 πシステム用ヒートパイプの断面

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