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CAREER LAB【IoTのコア技術RFID】RFIDとは

【IoTのコア技術RFID】
RFIDとは
CATEGORY学び
DATE2017/07/13

RFIDとは、ID情報を埋め込んだタグから電磁界や電波などを用いた近距離無線通信 (周波数帯によって数cm~数m間)によって情報をやりとりするもの、およびその技術全般を指します (図1)。

図1- RFIDシステム構成

出典:千葉県産業振興センタ

図1- RFIDシステム構成

RFIDは過去にも何回かブームがあり注目を集めたこともあったのですが、そのまま立ち消えになっていました。
現在ではIoTとの連携からRFIDが再び注目されています。とはいえ、IoTという用語自体が1999年にケビン・アシュトン氏がRFIDによる商品管理システムをインターネットに例えたときに使った用語ですから、本来の位置付けに戻っただけとも言えます。
今回はRFIDについて技術・適用事例・今後の発展という側面から紹介していきます。

RFID/RFIDタグとは

RFIDとはRadio Frequency IDentificationの略称で、“無線通信技術を活用し様々なモノを識別・管理するシステム”のことです。
システムは、RFIDタグとRFIDリーダ、RFIDライタから構成されます。
管理対象物に識別情報を書き込んだRFIDタグを添付し、その識別情報をRFIDリーダで読み取ることで、その対象物を識別します。
なおRFIDタグは、“RFタグ”あるいは“ICタグ”とも呼ばれることもありますが、ここでは“RFIDタグ”で統一します。

RFIDタグには、パッシブタグ、セミパッシブタグ、アクティブタグの3種類があります。
・アクティブタグ: 搭載電池から電力供給し、自ら自分のIDなどを受信機に送信するActive(能動的)タグです。
・パッシブタグ: 電池を搭載せず、RFIDリーダからの電波を起電力に変換し自分のIDをRFIDリーダに送信する受動的(Passive)タグです。給電方法としては、低周波の場合は電磁誘導が、高周波の場合は電波方式が使われます。
・セミパッシブタグ: 電池を装備し、RFIDリーダからの電波が弱い場合は電池電源を使用し、送信することで通信距離を稼ぐことができるように改良された受動的(Passive)タグです。

ここでは、特に身近な分野で利用されているパッシブタグについてお話しします。パッシブタグは、その他のタグと異なり電池を装備していないため小型化・低価格化・長寿命化が可能であるという利点を持っています。

データ通信の手法

RFIDタグは、ICチップとアンテナで構成されています。読み取る仕組みを簡単にご紹介しましょう。
RFIDタグは、RFIDリーダ(リーダアンテナ)が発する電波を自身のアンテナで受信すると、電磁誘導で電力を起こし、ICチップに給電します (図2)。

図2- 電磁誘導でエネルギーを供給 (低周波の場合)

出典:株式会社システムズナカシマ

図2- 電磁誘導でエネルギーを供給 (低周波の場合)

RFIDタグは、ICにあらかじめ記憶されているデータ (ID情報等) を自身のアンテナを使用しRFIDリーダに送信します。その電波をRFIDリーダが受信することで“RFIDタグ”データを読み取ったことになります。(図3)

図3- RFIDタグとRFIDリーダ間の通信 (電波方式で電力供給/起電)

出典:株式会社 プロビデント

図3- RFIDタグとRFIDリーダ間の通信 (電波方式で電力供給/起電)

コアネットワークの進化

携帯通信コアネットワークも無線方式と同様に進化を遂げています。前回のレポートでお話した、コアネットワークのAll-IP化は大きな変革でしたが、4G以降もAll-IP化の進化も続いています。

無線周波数

RFIDタグは用途に応じていろいろな周波数が使用されています。下表に周波数と用途の関係を示します (表A)。

周波数別RFIDの特徴・用途
周波数別RFIDの特徴・用途

出典:株式会社 プロビデント

例えば、Suicaに代表される交通系カードや決済系カードは、通信可能距離が長すぎると、対象者以外の人のカードも読み書きしてしまう恐れもあることから、通信距離の短い13.56MHz帯(低周波帯)の無線が多く使用されています。
一方、読み取り距離が長く、複数のタグを同時に読み取れ、かつ低コストであるなどの特長を持つUHF帯(920MHz)のタグは、例えば、工場のラインや配送センタのゲートで使われます。ゲートに強力なRFIDリーダを固定設置しておき、貼付した対象物が通過するときに自動的にRFIDタグを読み取るのです。今後も、産業界での応用範囲拡大に寄与していくことでしょう。

周波数と通信距離との関係を示しますと、次のようになります (図4)。

図4- RFIDにおける周波数と通信距離の関係

出典:国立情報学研究所 佐藤先生講演資料より

図4- RFIDにおける周波数と通信距離の関係

バーコードとの違い

識別用タグとして使われる技術としては、バーコードや二次元コードがあります。バーコードや二次元コードは、商品ラベルに印刷することもできますので操作も簡単ですし、コストも低価格に抑えることができます (図5)。

出典:株式会社 プロビデント

図5- バーコード・二次元コード(一例)

しかし、RFIDタグには以下のようにこれまでのコードにはない長所があります(表-B)。

表-B
RFID・バーコード・二次元コード比較表
項目 RFIDタグ バーコード 二次元コード
情報量 数千桁 数十桁 千桁程度
書き換え 可能 不可 不可
大きさ 大きい 小さい 極めて小さい
対環境性 (汚れ) 強い (封止材選択) 極めて弱い 極めて弱い
複数同時認識 可能 不可 不可
読み取り 電波範囲 近接相対 近接相対

出典:株式会社 プロビデント

これらの技術的長所は、副次的に以下のような運用面での長所をもたらします。
・タグ情報読み取りが無線のため、タグの貼付場所や貼付方法に制約が少なく、応用範囲が広い。
・複数タグを同時に読み取ることができ、運用面でも利便性が高い。
・タグ情報は、業務プロセスの途中で追加・更新が可能。

今回は、RFIDタグに関する技術についてお話しいたしました。
目的が個体識別だけでしたら、コスト比較でバーコードや二次元コードが優位に立ちます。
しかし、RFIDにはバーコード・二次元コードでは実現できない長所が多々あります。これらの長所を活かすこと、さらにIoTと連携することで、業務改革や、新サービス・新ビジネスモデルが可能になると思われます。
Industrial Internetや産業革命4.0との連携も合わせて、B2B領域・B2C領域での活躍が期待されています。

今回は軽く触れただけですが、Suicaや決済系カードも実はRFID技術を使っています。まさに、「バッテリーをカードに持たせなくても、接触をさせなくても、データの書換え・更新ができる」という長所を活用しているのです。
「RFID=個体識別技術」という枠組みを外すと、さらに新しいサービス・ビジネスモデルの創造も可能と思われます。
次回はRFIDの活用例を紹介します。


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